終活は何から始める?家族に伝えておきたいことと準備チェックリスト

自宅でノートと書類を見ながら、これからの暮らしを話し合う親子のイラスト

終活を始めようと思っても、エンディングノート、片付け、保険、葬儀、相続と、やることが多くて迷いませんか。最初からすべてを決めようとすると、手が止まりやすくなります。

まずは「もし自分が入院したら、誰が何を探すだろう」と考えてみてください。連絡してほしい人、必要な書類の場所、今の希望。この3つから整理すると、今日取り組むことが見えてきます。

この記事では、終活ラボが提案する準備の順番と、書き込みながら使えるチェックリストを紹介します。家族がいない方や、家族に頼りにくい方も、信頼できる人や相談窓口と共有するために使えます。

目次

終活は何から始める?最初は連絡先と書類の場所から

最初の一歩は、ノート1ページに「緊急時の連絡先」と「大切な書類の保管場所」を書くことです。高価なノートや有料サービスの契約は、始めるための必須条件ではありません。手元のメモでも構いません。

  • 連絡してほしい人の名前・電話番号・自分との関係を書く
  • かかりつけの医療機関と、服薬情報を確認できる場所を書く
  • 銀行・保険・住まいの書類がどこにあるかを書く
  • メモを保管した場所を、信頼できる人に伝える

「書いたけれど誰も見つけられない」を避けるため、保管場所を共有するところまでを最初の目標にしましょう。口座の暗証番号などまで、この1ページに集める必要はありません。

終活とは、これからの暮らしと、もしもへの備えを整理すること

終活には、身の回りの整理、医療や介護の希望、財産や契約の把握、葬儀やお墓の希望などが含まれます。何をどこまで準備するかは、暮らしや家族関係によって違います。

たとえば一人暮らしなら、緊急時に誰が連絡を受けるかが優先事項になりやすいでしょう。ネット銀行や有料サービスを多く使う方なら、契約一覧を残すことから始める方法もあります。

年齢だけで一律に順番を決めず、「今、分からなくなると困るもの」を先に整理するのがこの記事の考え方です。

終活の準備チェックリスト|7つの項目

次の項目は、すべて終えるための宿題ではありません。「できた」「これから」「今は不要」に分けて、自分に必要なものを選んでください。分からない項目は、調べること自体を次の一歩にできます。

1.連絡先と日常の引き継ぎを残す

  • □ 緊急時に連絡してほしい人を決めた
  • □ かかりつけの医療機関・服薬情報の場所を書いた
  • □ 自宅の鍵、ペットの世話など、急な不在で困ることを整理した
  • □ メモの保管場所を共有した

電話番号だけでなく、「この人には何をお願いしたいか」も一言添えると、話し合いやすくなります。相手が対応できるかも確認し、引き受けてもらえることを前提にしないでおきましょう。

2.エンディングノートに今の希望を書く

エンディングノートは、自分の希望や情報をまとめるための道具です。横浜市西区も、思いを自由に書き進める人生の記録として紹介し、法的な効力はないと説明しています。財産の分け方を書いただけで、有効な遺言書になるわけではありません。[1]

  • □ 大切にしたいこと、これからやりたいことを書いた
  • □ 家族や信頼できる人に伝えたいことを書いた
  • □ 決めていないことは「未定」と書いた
  • □ 記入日と、次に見直す時期を書いた

「住み慣れた地域で暮らしたい」「大切な写真を残したい」など、短い言葉からで十分です。空欄があっても、使い始めることはできます。

書く内容に迷ったら、エンディングノートの書き方と記入例も参考にしてください。

3.お金・保険・契約の所在を一覧にする

  • □ 銀行・証券会社などの契約先を書いた
  • □ 保険会社名と、保険証券などの保管場所を書いた
  • □ 住宅ローン・借入れ・継続的な支払いを整理した
  • □ 不動産や住まいに関する書類の場所を書いた

最初は正確な資産額を計算するより、「何が、どこにあるか」を把握することを目標にしてください。保険についても、一覧を作る段階で急いで解約や契約変更を決める必要はありません。

証券が見つからず整理が止まった方は、保険証券がないときの確認方法と準備するものも参考にしてください。乗り換えを検討している場合は、保険を解約する前の確認点を先に整理しておきましょう。

4.医療・介護で大切にしたいことを話す

厚生労働省は、望む医療やケアについて、家族等や医療・ケアチームと前もって繰り返し話し合う取り組みを「人生会議」と紹介しています。一度書いて終わりではなく、その時々の考えを共有することが大切です。[2]

  • □ 暮らす場所や過ごし方について、今の希望を書いた
  • □ 自分の気持ちをよく知る人を考えた
  • □ 医療・介護で不安なことをメモした
  • □ 必要に応じて医療・ケアの担当者と相談する機会を考えた

治療の判断に迷うときは、選択肢や見通しを医療者に確認しながら考えましょう。今すぐ答えを決められなくても構いません。話したくない時期に、無理に結論を出す必要もありません。

5.スマホとインターネットの契約を整理する

国民生活センターには、故人のスマホが開けず契約先が分からない、サブスクの解約に困るといった相談が寄せられています。紙の書類が届かない契約も、準備の対象に入れておきましょう。[3]

  • □ ネット銀行・証券・有料サービスの名前を一覧にした
  • □ 写真やデータを残すか、整理するか考えた
  • □ スマホのロック解除情報などを、安全に引き継ぐ方法を考えた
  • □ 利用サービスの死後の手続きや引き継ぎ機能を確認した

サービス一覧と、暗証番号・復旧情報などの秘密情報は分け、安全な方法で管理してください。この記事の記入例にも、パスワードそのものは書かない形を勧めます。家族がアカウントを使えば手続きが済むとは限らないため、相続や解約は各事業者の案内に沿って確認しましょう。

具体的な準備は、デジタル終活でスマホ・契約を整理する方法も参考にしてください。

6.持ち物・葬儀・お墓の希望を整理する

  • □ 残したい物と、その理由を書いた
  • □ 自分の所有物から、整理できる範囲を決めた
  • □ 葬儀で連絡してほしい人や、規模の希望を書いた
  • □ お墓・納骨について、希望や分からないことを書いた

片付けは引き出し一つから始めても十分です。他の人の持ち物は、本人に確認せず処分しないようにしましょう。

葬儀やお墓は「まだ決めていない」も現在の意思です。有料サービスを契約するなら、総額、含まれる内容、追加費用、解約条件、亡くなった後に誰が連絡するかを確認してから判断してください。

片付けの進め方は、生前整理で残す物と片付けの順番も参考にしてください。

葬儀の準備については「葬儀の事前相談で聞くことと見積もりの確認点」で詳しく紹介しています。

7.相続や遺言で専門家に確認したいことをまとめる

「誰に何を残したいか」は、まず希望としてメモできます。ただし、その希望を法的な形で残す遺言には方式などのルールがあります。日本公証人連合会は、遺言の目的や公正証書遺言について案内しています。[4]

  • □ 財産・借入れ・関係書類の所在を整理した
  • □ 残したい相手や、気になる家族関係をメモした
  • □ 遺言書がある場合は保管場所を確認した
  • □ 法律・税金について確認したい質問を書いた

相続関係や遺言の内容で迷う場合は弁護士、公正証書遺言については公証役場、相続税については税理士など、相談内容に合う窓口へ確認しましょう。誰に依頼すべきか分からない段階では、自治体の相談案内を調べる方法もあります。相談の対象・費用・予約条件は窓口ごとに確認してください。

今日の15分でできる、終活メモの記入例

時間が取れない方は、次の項目だけをノートに写してみてください。15分は取り組む時間の目安で、終わらせる期限ではありません。

  • 記入日:__年__月__日
  • もしものときに連絡してほしい人:____
  • 連絡先・お願いしたいこと:____
  • 医療機関・服薬情報を確認できる場所:____
  • 銀行・保険・住まいの書類の保管場所:____
  • スマホや契約一覧を確認する方法:____
  • 今、大切にしたいこと:____
  • 次に一つだけ調べること:____
  • このメモの保管場所を伝えた相手:____

家族と話すなら、「もし入院したときに探さなくていいよう、書類の場所だけ共有したい」と切り出す方法があります。相続の結論や葬儀の契約まで、一度に話す必要はありません。

終活を進めるときによくある疑問

何歳から始めればよいですか?

この記事では、年齢よりも暮らしの変化をきっかけにする方法を提案します。一人暮らし、引っ越し、退職などの節目に、連絡先と契約先を更新してみましょう。親の終活を考える場合も、本人の希望を聞くところから始めてください。

家族がいない場合は、誰に伝えればよいですか?

家族以外の信頼できる人や、地域の相談窓口に相談する方法があります。誰に何を頼めるかを整理し、必要な支援を探しましょう。有料の身元保証・死後事務などを検討する場合は、支援範囲、費用、解約条件を確認し、複数の選択肢を比べてください。

一度書けば、終活は完了ですか?

連絡先、契約、希望は変わるため、見直す前提で使いましょう。この記事では、誕生日など覚えやすい時期に読み返し、引っ越しや契約変更があったときにも更新する方法を勧めます。

まとめ|まずは1ページを書いて、保管場所を伝えよう

終活の最初の目標は、すべての準備を終えることではありません。「誰に連絡するか」「書類はどこにあるか」「今は何を大切にしたいか」を、見つけられる形で残すことです。

今日は連絡先を一つ書く。次は契約先を一つ調べる。その積み重ねで、準備は進みます。メモを書いたら、信頼できる人に保管場所を伝えるところまで取り組んでみてください。

参考資料

公的資料の確認日:2026年10月21日。この記事は準備の全体像を案内する一般的な情報です。個別の法律・税務・医療の判断は、それぞれの専門家や担当窓口に確認してください。

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